対決?協業?

皆様ご無沙汰しております。
世の中は年度末ということもあって、ワタシも決算なるモノの対応に追われておりまして、忙殺されておりました。

さて、そんな決算。
日本の製造業の牽引役とも言うべき東芝さんで酷いことになってますね。
最近のニュースだと、アメリカの原子力事業の混乱が要因と言うことで盛り上がっていますが、元をただせば、2015年に発覚した不正会計がそもそもの原因なんですよね。

3月のとある日の日本経済新聞の記事で「AI襲来 眠れぬサムライ」という記事がありました。
記事の中で、当時の東芝の監査を担当した新日本監査法人の担当者が、「AI(人工知能)があれば不正の温床となったバイセル取引を見抜けたんじゃないか。」とおっしゃっていたそうです。

バイセル(Buy-Sell)取引とは
買い戻しまたは売り戻しを条件とした取引のこと。
大手企業が海外メーカーなどに製造委託する際に、部品を自身で仕入れ、委託先のメーカーに販売するといった取引。

調達コストを削減することを目的に、大手企業自身が部品メーカーと直接交渉し、部品を大量に仕入れて、委託先メーカーに販売する。
仕入価格よりも高く販売することで一時的な利益が生じるが、部品を組み入れた完成品を委託先メーカーから買い戻すことで、最終的に利益は相殺される。
パソコンの製造などで一般的に用いられている手法であり、バイセル取引自体に問題はない。
しかし、一時的な利益を計上できることから、期末月に見かけ上の利益を水増しするために、必要量を超す部品を委託先メーカーに売り込むといった不適切なバイセル取引が行われることがある。

人工知能かぁ。
ワタシの私的イメージですが、コンピュータの「デジタルな処理」に人間の心理というか曖昧さの「アナログな感覚」が混ぜ合わさったようなもの。と言う感じのイメージなのですが、
所詮は機械。人間の「コレがやりたい、やってほしい」という命令がなければその「デジタルでアナログな処理」は発動しないと思うんですよ。

つまりは「命令」がキモなのかな。と。

野村総合研究所の調査で「10年から20年後にAIやロボットで代替可能な職業」に会計士・弁理士・行政書士・税理士と、士業も入ってるんですよね。

確かに、弁理士さんの主だった業務の特許の調査・申請もAIが調査して、競合しない形の申請を練り出すなんてことも出来るようになってしまいそうだし、
行政書士さんの場合だと、こちらから項目、内容を入力するだけでAIで適正な書類を作ってくれそう。
税理士さんなんかはもっと顕著で、帳簿さえ入力すれば決算報告書とか勝手に作ってくれそうですよね。

そんな時代が本当に来そうですよね。

上で挙げた4士業の人達にとっては死活問題らしいです。

選択肢は
「人間にしか出来ない部分で特化する」「人間では見落としがちなモノを見つけるために共存を図る」

この2つなのかな。と。

単純な手続き業務だけでやっていこうとすれば、それはAIに間違い無く取って代わられてしまう。
ならば、その手続きに到達するまでの過程にもっと重きを置く。
そういった考えの基に相続税対策相談に特化した税理士法人もあるそうです。
確かに、相続税対策は、「誰に、幾ら」とか、生前贈与で云々とか、人の心理が濃く現れているので、AIには難しいのかも。

かと言えば、冒頭で挙げた新日本監査法人さんでは、監査の質を高めるために、「これまで気付けなかった数字を見つける」可能性をAIに模索しているそうです。
うん。確かに膨大なパターンとの照らしあわせで違和感を探すにはうってつけかもしれないです。

士業ではないですが、IBM社のAIが人間の医師が特定できなかった病名を特定した。とか革新的なニュースも以前ありましたよね。
これもAIに過去の医学論文をすべて覚えさせて、その中から導き出した答えだったとか。

AIの最大のメリットは人間には持ちきれない膨大なデータ量からの解析、最適解を導き出すことなのだと思います。
けれども、明確な目的を与えない限り、それを行ってくれない。

最終的にはAIに対して絶好の「命令」を出せるか。ですよね。

1 個のコメント

  • 人工知能による業務の効率化は避けては通れない道。
    ましてや効率化だけでなく、質が向上するのであれば尚更、AIへ傾斜する。
    誰にお願いしても同じ結果が返ってくるであろう業務を行っている特定の士業は正に死活問題。
    仕事が奪われれば、仕事を得るために次は価格(報酬)破壊の波が押し寄せる。
    夢が持てる士業とそうでない士業の二極化が進みそうですね。

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