国際司法裁判所とはなんぞや?

大変ご無沙汰しております。
何やら忙殺されていまして、気がつけば前回からの1年近く経過しておりました。

さて、最近よくニュースになっている
「元徴用工問題」
「レーザー照射問題」

などなど、日韓関係の悪化が取り沙汰されている訳なのですが、この文言と一緒によく出てくる
「国際司法裁判所」
ここがどういう所なのか?
字面から想像すると「国際的な司法を取り扱うところ」と思えるわけですが、丁度良いかは別として事例があるので今回はその辺を掘り下げてみようと思います。

ワタクシは結構ニュースや情報番組を観る方なので詳しい方だと思っていましたが、いざちゃんと調べてみると知らないことが結構あったりしました。

まず、国際司法裁判所とはなんぞや?ということで…
Wikipediaから引用

国際司法裁判所は、自治的な地位を持つ常設の国際司法機関で、オランダのハーグに本部を置く。
国家間の法律的紛争について裁判をしたり(国連憲章第36条第3項、ICJ規程第36条)、国連総会や国連安保理などの要請に応じて勧告的意見を与える(国連憲章第96条、ICJ規程第4章)。判決や勧告的意見による国際司法裁判所の意見は、国際法の発展に多大な影響を与える。世界法廷(World Court)とも呼ばれる。
国際法一般を扱う常設司法裁判所という点において、常設仲裁裁判所、国際海洋法裁判所、国際刑事裁判所(ICC、2003年3月発足)などとは区別され、異なる意義を有する。

要約すると、国家間、つまり国と国との紛争を裁判をおこなって解決しましょう。
国連憲章(国連の目的や原則が定められた条約)に則って法律的な意見を求め発信する組織。
もっと要約すると、国際的な司法組織と言うことらしいです。

現在は裁判長をはじめ副裁判長と13人の判事が国連加盟国から選ばれているそうです。
現職で日本人の判事もいたりします。

「裁判所は、付託される紛争を国際法に従って裁判することを任務とし、次のものを適用する」と規定する準則があります。
つまり紛争の平和的解決のために適用するのは国際法であって当事国の法律や憲法では無い、ということ。
そして適用されるものとして、

  • 一般又は特別の国際条約で係争国が明らかに認めた規則を確立しているもの
  • 法として認められた一般慣行の証拠としての国際慣習
  • 文明国が認めた法の一般原則
  • 法則決定の補助手段としての裁判上の判決及び諸国の最も優秀な国際法学者の学説

つまり条約、慣習法、法の一般原則に基づき裁判がなされ、そしてそれらを明らかにするために判例・学説が援用される。

さて、国際司法裁判所で裁判がおこなわれるまでの流れなのですが、
基本原則としては、同意原則といって当事国の双方の同意がなければ裁判が成立しないのです。
ただし、選択条項(義務的管轄権/強制管轄権)の受諾を当事国が宣言している場合、裁判への応訴を自らの義務とすることができる。
つまり宣言している国は裁判が起こった場合義務として受けますよ。という意味。

今回のケースの場合だと、日本側が提訴すると言っているので、
原告国:日本
被告国:韓国

となる訳なのですが、日本は選択条項を宣言していますが、韓国はしていません。
したがって、日本が提訴しても韓国側が拒否すれば裁判が成立しない。という事になります。

さて、仮に裁判が成立した場合、ここから先はよく有る民事法廷と類似していて、
弁護士となるべき立場の人間を選出します。大概の場合、xx委員会なる組織を当事国がそれぞれたてる訳なのですが。

その後、判決が出たとしても、直接判決を執行する国際機関は存在しないのです。ですが、国連安全保障理事会の勧告、決定に訴えることは可能なのです。

過去の事例(判例) ※Wikipediaより
結構な数の事案ととらえるべきなのか、この程度しか係争が無いのか、選択条項を口実に係争にすらならないのか。捉えようによっては何とも…

ただ、国際司法裁判所によって解決した問題があるのも事実。

南極海の捕鯨問題で、日本も一度被告国になったことがあるんですよね。

結局のところ、今回の日本と韓国の問題の場合、

日本の言い分としては「日韓請求権協定」によって解決済みで、そこで保証はなされた。

韓国の最高裁にあたる大法院では「国に対しての保証であって個人に対しての保証では無い」

と双方の解釈が見事に割れている。

日本人の立場として言うと、日韓請求権協定の際に個人への保証を当時の日本政府が申し出たそうなのですが、当時の韓国大統領が「それは自国でやるから一括して経済支援としてお金くれ」と言ったのがそもそもの根っこの気がしてます。

これ以上もめて日韓関係が悪化するくらいなら、国際司法の場に任せてもいいのでは?と個人的には思っています。

5 件のコメント

  • お、久々の新作ですね!!

    国連司法裁判所に提訴した場合強制参加。とできれば簡単な話にも思えるのですが、
    それをやってしまうと裁判が乱立するので避けたい。という思いもあるんですかねぇ?

    僕も管理人さんと同意見で、ここまでもめてしまったのなら国際司法を頼るのもアリなのかな。って思います。

  • 久々の新作ですね!!
    twitterも再開したんですね。

    国際司法裁判所の部分より日韓関係どうなっちゃうんだろうな~って所ばっかりが気になっちゃってます
    韓国製品というよりは韓国産の唐辛子が好きでそれが手に入らなくなるようなことは避けて欲しいなぁと僕的に思ってます(汗

  • こんにちは!
    お久しぶりの投稿ですね!待ってましたよ!
    以前から、ここのサイトの記事は面白くて毎日見てました(*^^*)
    今回のお話ですが、日本と韓国..どちらとも立場上、難しいですよね。
    昔から交友関係が良好な2カ国。お互いのいい所を分け合い刺激を受けながら文明の発達に貢献していましたからね。

    私事ですが、韓国料理が大好きでよく旅行へ行きます。
    家でも韓国料理を作って食べちゃう程にです(笑)
    家での仕事が多いので、私のちょっとしたブームで..その原材料が途絶えてしまうと嫌なので、日本と韓国はこの先もずっと素敵な交友関係を続けて欲しいと願っています。

  • >通りすがりサン
    そうこうしているうちに日本政府がホワイトリストからの削除で輸出に制限かけることになっちゃいましたよね…
    制限の対象は軍事目的にも転用可能な物だから、信頼できない国への輸出は制限。というのが日本のシナリオなのだけど、対象製品のすべてがシェア80%って時点で、韓国経済への打撃は相当なんじゃないかな。と。

    >じょばんなサン
    ほんとうにご無沙汰でした。
    ワタクシも韓国産の唐辛子は大好きですwww
    寒い地方で育った唐辛子は辛味の他に深いコクと甘味が増すのだとか。
    日本政府が輸出制限はじめちゃうそうなので、唐辛子の話も現実味帯びてきちゃいましたよね(汗

    >早苗@サン
    G20サミット終わったタイミングで日本政府も思い切ったことをしたな。と。
    天皇家の先祖に百済(今の朝鮮半島の国)の方が居たりして、昔から深いつながりのハズなんですよね。
    15年前に一度仕事で韓国に行ったことあるんですけど、食べ物は本当に美味しかったのを覚えてます。
    ただ、やっぱりなんというか、謝らないんですよね。あの国の人達って(汗
    文化の違い、民族性の違いなのでしょうけど、結構違和感感じたのは覚えてます。

    • >rootさんへ
      こんばんは、そして初めましてですよね?^^*
      確かにG20サミットの後くらいでしたから、驚いた方も多かったのかなと。
      ..rootさんの仰る通りで、現地の韓国の方は「謝る」という概念が無いですよね。
      私の友人が韓国へ旅行に行って、相当怒ったみたいです。
      何で謝らないんだ、この国は!と^^;
      それを聞いた瞬間、世界は広くて深いなぁとしみじみしてしまいましたね(笑)

  • 通りすがり へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です