相も変わらず「過払い金請求」のCMはよく流れていますね。
ちょっと気になったのが司法書士法人が大々的にCMをやってること。
司法書士の場合、民事訴訟での請求では140万円以下という壁があるんですよね。
以前書いた記事、「「過払い金請求」と連呼する子ども」でも若干書いたのですが、
日弁連が定めた、「債務整理事件処理の規律を定める規程」では
「解決報酬金」…消費者金融との事件が解決したことに対する報酬。1社当たり2万以下
「減額報酬金」…過払い分と認められて減額となった部分に対する報酬。減額分の10%以下
「過払金報酬金」…回収した過払い金に対する報酬。訴訟によらないで回収した場合は回収額の20%以下、訴訟に寄った場合で回収額の25%以下
ていうのがあって、ちょっとした例を挙げていたのですが、
X社に100万、Y社に50万といった感じで合計で150万円の借金があった場合どうするんだろう?
X社だけで200万の借金があった場合どうするんだろう?
という疑問がわいてきたんですよね。
理屈で考えると、
前者に関しては、X社に対してとY社に対して別々の事案として処理を行えば、成立しそうな気がするのでいいのですが、
後者に関しては、処理できないハズなんですよね。
それでですね、色々調べてみると
「平成28年6月27日の最高裁判決」がすべてのようです。
司法書士の代理権業務の範囲を「各貸金業者が主張するそれぞれの請求金額」で判断すべきである。と結論づけたそうで、
140万の壁はこの件に関しては関係無いよ。と判断したそうです。
ふむ。つまりは過払い金請求に関しては司法書士でも金額の上限に関係無く代理権を行使してもOKってことなんですね。
あ、そういえばこの司法書士法人、確かにCM流すようになったの、最高裁判決後のこの夏くらいからでしたよね。
それまでって、最近は借金の整理的なCMをやってる大御所の法律事務所の方が、過払い金に関して頑張っていましたし。
穿った言い方をすると、「過払い金請求特需」が司法書士業界に来てる。って事なんですかね。
日弁連の定めた内容に従っても「オイシイ」ですもんね。
2010年以降、司法書士試験の合格者が減少傾向にあるのですが、2016年の結果にちょっと好奇心。というわけで調べてみました。
平成27(2015年)年度司法書士試験の最終結果
http://www.moj.go.jp/content/001162405.pdf
残念ながら今年の最終結果はまだ出ていない様子。
去年は
出願者数:21,754人
受験者数:17,920人
合格者数:707人
なのですが、今年は大幅に増えてるのではないか?というワタシの「過払い金請求特需」的予想が当たるかどうか、後日結果をお知らせします。
2016/11/28更新
司法書士試験の結果が出ました!!
平成28(2016年)年度司法書士試験の最終結果
http://www.moj.go.jp/content/001207508.pdf今年は
出願者数:20,360人
受験者数:16,725人
合格者数:660人むむ。予想に反して減少してましたね。
まだまだこの手のCM流れてますが、需要が薄まってきてるんですかね?