昔からTVドラマが好きで結構観る方なのですが、気に入ったドラマがあると最終回を見終わった後、その続編を観てみたいな。と思う作品が結構あったりします。
ところが様々な理由、コンプライアンス的な問題が殆どなのですが、続編が出来なかったり再放送が難しかったりすることがあるんですよね。
たとえば
「リーガル・ハイ」
以前に「一歩間違うと誤解を生むドラマ化-弁護士編」で紹介させて頂いたのですが、主人公の堺雅人さんが出演する「半沢直樹」の続編が発表になって
「あ、もしかしたら」と思っていた矢先にリーガル・ハイに出演していた田口淳之介さんが大麻所持で逮捕。
昨今の傾向からすると再放送はまず無いでしょうし、続編をやるにしても別の方をたてることになる訳で、きっと違和感しか無いのかな。と。
あのドラマはフィクションとして世の中に「こんな弁護士いないよw」くらいの感覚で観てるとおもしろかったんですけどね。
最近の作品でちょっと気になったのが「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」
テレビ朝日系で女医(外科医)以外の役で米倉涼子さんが出演するって事ですが、タイトルから危険な香りが…
「元弁護士」という肩書きが凄く気になりまして。
案の定、内容はノンフィクションだったらアウトな内容でした。
あらすじ(Wikipediaより引用)
大手法律事務所「Felix & Temma法律事務所」に勤務していた弁護士・小鳥遊翔子(米倉涼子)。しかし、翔子はある理由から弁護士資格剥奪という処罰を受けてしまう。
弁護士資格を失った翔子は、弁護士資格があるにもかかわらず全く実務経験のない大学教授・京極雅彦(高橋英樹)を代表弁護士として誘い出し、法律事務所を開かせる。
翔子は管理人となるが、弁護士資格がないことを口実に元女性銀行員、元警備員といった服役経験者、クラブのホストといった曲者ぞろいの人物たちをパラリーガルとして雇い、
さらには自殺しようとしていた若手弁護士や翔子の後をつけてしまった縁で事務所の一員となった京極の教え子で元エリート検事である弁護士を誘い、強引なやり方でこき使っていく。
民事訴訟で厄介な案件が次々と舞い込む中、翔子はかつて所属していたFelix & Temma法律事務所と対峙してくことになる。
果たして弱小法律事務所=京極法律事務所は圧倒的な力を誇るFelix & Temma法律事務所に勝つという奇跡を起こすことができるのか。
日本では弁護士以外の者が、有償で法律事務やその斡旋を業とすることが禁止されています。
さらに、弁護士は非弁護士と業務提携することや、有償で業務斡旋を受けることが禁止されています。
弁護士法より
(非弁護士との提携の禁止)
第二七条 弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。(非弁護士との提携等の罪)
第七七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一 第二十七条(第三十条の二十一において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
三 第七十二条の規定に違反した者
つまり、非弁護士の主人公と弁護士資格を持つ大学教授が業務提携してる。
この部分が弁護士法に引っかかるわけです。
ちなみにですね、「パラリーガル」という言葉が出てくるのですが、
パラリーガルとは(Wikipediaより引用)
弁護士の監督の下で定型的・限定的な法律業務を遂行することによって弁護士の業務を補助する者のこと。
弁護士業務の付随業務を遂行することからこう呼ばれ、日本では、2006年以降に広がった貸金業者の過払い金返還請求の実働部隊で活躍したことで知名度を上げた。
簡単に説明すると、弁護士の監督下で書類作成したり調査のお手伝いをする人。ってところですかね。
過去の番組のように弁護士会が抗議すると言うところまでは発展していないようですが、時間の問題なのかも。
解釈の問題。というか、ここからはドラマのネタバレ感が強いので閲覧はご注意ください。
主人公は弁護士資格を剥奪されていた、けど最終回で実ははめられて弁護士資格が剥奪されていたので…と言われてしまうとそれまでなのかもしれませんが、結局ですが弁護士資格を取り戻しないんですよね。
なので無資格の期間中の行為で事務所から給与が支払われる、または報酬を受け取っているとしたらワタクシ的にはアウトな気がします。
強者(勝者)のアラを探して弱者の嫉妬心を和らげ、敗者の弱点を突いて大衆にささやかな優越感を与える。
これが日本人の快感の原則に一番あってると誰かの記事で読んだことがありますが、
この番組もそうでしたが、この手の士業が題材のドラマって大概そうですよね。
もし再放送があったら全編ちゃんと見てみようか思案しています。